88年ぶりの優勝にわくシカゴ
Oct 29, 2005

 シカゴを本拠とするメージャー・リーグの野球チームはシカゴ・カブスとシカゴ・ホワイトソックスの2つがあります。今年はホワイト・ソックスが 88年ぶりの優勝を成し遂げました。 1917年といえば、 シカゴ出身のウォルト・ディズニーが高校を卒業し、 JFK(ケネディ大統領)が生まれた年。長年の念願がかなって2005年ワールド・シリーズのチャンピオンとなったシカゴ・ホワイトソックスに地元ファンまで半信半疑。シカゴの主力新聞シカゴ・トリビューン紙は第一面トップに"Believe it" (まさか本当に)という見出しをかかげるほど。秋晴れの昼下がり市内で行われた凱旋パレードには押しかけた市民の歓呼の声がこだまし、ミシガン湖から吹きつける風で高層ビルの谷間は紙吹雪の乱舞。そのなかを シカゴ市長をはじめ選手たちは2階建てのオープンカーのうえから手をふって地元ファンの歓迎にこたえました。生中継のテレビ画面には日本人として活躍した井口選手の笑顔も紹介されていました。当然のことながら優勝記念グッズはすぐに売り切れましたが、シカゴはしばらく優勝フィーバーでにぎわいをみせることでしょう。

 人生もある意味で優勝にむかってすすむ連続ゲームにたとえられないでしょうか。私たちはみんなそれぞれ役割分担をいただいてこの人生ゲームに参加しています。子供時代はもの珍しいことをつぎつぎに発見し自由に夢をひろげるゲーム。青年時代は選択ゲーム。好きな作家や芸術家に傾倒し、哲学におぼれ、友だちや婚約者を選択し,人生の目標をさだめます。中年になると家庭と職業生活の建設、子供たちの教育をふくむ真善美の実現ゲーム。そして熟年にいたってはこのゲームはさらに今までできなかった、そしてずっと望みつづけてきたことに挑戦する優勝決定戦のプレイオフとなります。私たちはつねに何か新しいもの、味わい深いもの、すばらしいものをこの人生ゲームで身につけながら終盤戦にむかうのです。ですから過去のゲームに無駄なものはひとつもありません。やがて最終戦で全力をそそいで勝利を得たあと、輝きの門をくぐって天国への凱旋パレードに参加できるのです。そのとき頭にはこれまで重ねた体験の数々が栄冠の輝きを放つのです。私たちにはグランド、チーム、ポジッションなどははじめから異なったものがあたられていますが、自分のプレイを成功させるという点ではみな平等です。人生において成功することと自分の人生を成功させることはまったくちがう二つのことなのです。「星のごとく、急がず、しかし休まず、人それぞれに、神より受けし務めを果たせ」(ゲーテ)「私たちは、私たちを愛してくださった方によって、これらすべてのことの中にあっても、圧倒的な勝利者となるのです。」(聖書)