サボテン便り


6月12日のサタデー・トークをきかれた東京の細谷正夫さんから、ちょうど、永六輔さんの1000回記念番組の日に永さん作詞の「女ひとり」がHCJBから流れ、まるで七夕のように、天の川でふたりが出会ったようだというメールがありました。シカゴを去る最後のインタビューの中で、シカゴ日本人会会長の下竹祐三郎さんが、今年夏の「ジャパン・フェア」は京都がテーマだと話されたので、それにあわせてこの曲を選んだのです。このうたは、永六輔・中村八大の名コンビで制作された「日本のうた」というアルバムにおさめられています。日本全国の各県を代表する名曲がおさめられており、歌っているデューク・エイセスのみなさんからプレゼントされたものです。全曲を「アンデスの声」でも放送しましが、南米各地の移住者家族にとっては、遠く離れた故郷に想いを馳せる番組となりとても好評でした。思いがけないタイミングで、ラジオ界第一人者の永六輔さんに、その時のお礼をふくめて、お祝いすることができてよかったです。

アリゾナには予定どおり家族全員無事着きました。雲ひとつない空は、まるで真っ青な色紙を貼付けたようです。灼きつく日差しが肌を刺します。日中気温は40度をこえ、降水確率0%。ツーサン盆地を囲む赤茶色の渓谷の裾野には細長いサボテンが群生しており、まさに西部劇の舞台です。今日は、車のナンバー・プレートの取り替えに行きましたが、絵柄には巨大なサボテンと渓谷の峰々が連なり、「グランド・キャニオンの州」という誇らしげな文字が目に飛び込みます。そういえば、シカゴでは「リンカーン大統領の州」でした。

6月26日(土)には、6月13日に神奈川県鎌倉市のたまなわ交流センターで開かれた日本短波クラブの大船ミーティングの模様をお伝えする予定でしたが、シカゴから引っ越し荷物を積んだ大型コンテナ・トラックが、途中のテキサス州で故障してしまい、アリゾナに着くのが2週間も遅れてしました。緊急の策でアナウンスだけは日本で録音して放送に間に合わせようとしたのですが駄目でした。そこで、止むを得ず今週末は、先週末の番組を再放送します。大船ミーティングの番組は7月3日(土)になりますのでご了承いただきたいと思います。当日、会場で埼玉県三郷市の岩沙一彦さんが、ひとりびとりにマイクを向けて取材してくださいました。さて、どういう方々がこられ、どんな話題が飛び出したのか。どうか来週をお待ち下さい。

東京は梅雨入りのようですね。今日もアリゾナの空は一日中晴れ上がり、雨の気配などは微塵もどこにもありません。7時半。夕映えが周囲の渓谷を美しく彩りはじめ、中空に淡く半月を残して、灼熱のアリゾナ砂漠に日が沈みます。

2010年6月24日 HCJB日本語放送担当 尾崎一夫