2010年ジャパン・レポート第一報


今回の帰国はサボテンの国アリゾナからサンフランシスコ経由の空の旅となりました。飛行時間がこれまでのシカゴからより2、3時間すくないだけでかなり楽だったような気がします。成田空港に迎えに出てくれた次男の祐二夫妻が「猛暑がつづいているので水を飲むように」と早速ペットボトルを買ってくれました。高速道路で都心へ向かい、東京湾にさしかかるレインボー・ブリッジからビル群を眺め渡すと、赤い東京タワーが遠慮深そうにビルの谷間に立っていました。カー・ラジオからは東京の新しいシンボル「スカイ・ツリー」が400メートルに達したというニュースを伝えていました。その日は時差ボケもあまり感じられず、ひさしぶりの純粋の日本料理を前に「この味、この味」と賞賛の声を連発しながら夕食をエンジョイしました。

翌日は早速、HCJB日本事務所のある東京淀橋教会へ出かけました。教会の玄関廊下で偶然にも峯野先生とばったり。「いや、お元気そうで」とお互いに挨拶を交わすことができました。このあと責任者の新川代利子、川崎崇両先生、録音担当の井田知香姉などとも歓談することができ、お昼には新川先生の出身地である沖縄からとどいたばかりの新鮮なゴーヤ料理で暑さを吹き飛ばす元気をつけていただきました。8月第一週は毎年恒例のサマー・イブニング・クルセードが教会前の特設ステージで開かれます。その準備で教会は大童でした。来年は、私の長男道夫夫妻も米国ヒューストンから一時帰国して夏のクルセードの賛美奉仕に参加させてもらう予定でいます。

日曜日には、田園調布教会で教会の皆様に支援していただいているお礼とHCJBの現在の働きの報告をさせていただきました。教会は1931年創設でHCJB放送局が南米エクアドルから第一声を放った年とおなじです。来年は80周年を迎えるにあたって新会堂を建設するそうです。なんと、ここにもリスナーの方がおられました。「いやぁ、懐かしいです・・・といっても尾崎さんとはこれが初対面で、田村一秋と申します。 私も小学生のときに小遣いと足りない分は父に出してもらってスカイセンサーを買いました。目をつぶってダイヤルを微調整しながら『アンデスの声』をキャッチしたときの感激が忘れられません。」そこで、私が『再び始めるBCL』の本をみせると「あぁ、これ持ってます。今年春に発売された『BCLライフ・波ヲ掴メ』も買いました。現在は小学校教師ですがBCLの復活組です。」こうして日本ふれあいの旅がはじまりました。

東京都文京区本郷、春日局のゆかりの地の一角にある日本アイ・アンド・オーシー株式会社社長の井上出(いずる)さんを訪問しました。リスナーの細川裕文さんの紹介で井上さんがカナダ日本語放送の重松彬アナと懇意にしておられるとお聞きしたからです。井上さんの父親は北海道十勝の酪農家出身で重松さんの義父とともに、乳牛の乳搾り機をイギリスから日本にはじめて導入し、生涯をかけて乳業と国民栄養に関する論文・評論などで貢献されました。とくに日本人の体位が欧米人に劣っている点を詳しいデーターや統計でまとめ食生活の改善をうながした名著「日本人体位の年代的推移と未来像(1976年刊)」は子供達の肥満化や骨の弱体化が憂慮される現代に通じる貴重なデーターとなっています。井上社長自身は多感な少年時代を過ごした神戸で「ウミハ ヒロイナ オオキイナ」の童謡を口ずさみながら夢をふくらませ、今は広い海の彼方の国々との交易で活躍しておられます。その関係でカナダの重松さんとも親交を深められ、重松さんが発行されている「カナダの話題」にもエッセイ<イノさんの文箱>を掲載するようになったのです。ところが重松さんから健康上の都合で編集や発行ができないので、自分でブログをたちあげてほしいという連絡をうけたのです。現在、井上さんはご自分でメールマガジンを発行しておられます。「昭和生まれの明治育ち」を自認される井上さんの気骨あふれるピリッと辛イエッセイをぜひ一度お読みください。 (http://www.mag2.com/m/0000246682.html)

ここで皆様にお願いがあります。最近、井上さんが重松さんと電話でお話しされたときの印象では重松さんの視力がかなり弱っておられ、本人もそのことで落ち込んでおられるようです。この際、重松さんを励ますために、『声』の寄せ書きを送ろうではありませんか。当時の放送の思い出や「カナダの話題」にまつわる話しなど、重松さんのこれまでの努力と功績への感謝の「ひとこと」をとどけてあげましょう。具体的な方法としては、メール、もしくは、MP?3音源ファイル、または手紙やはがき、受信報告書にメモを添えてくださっても結構です。すべてをCDに収めてカナダ在住の重松さんのもとへ郵送いたします。締め切りは八月末です。なお、個人でブログをおもちの方はぜひ往年のリスナーの方々に広くよびかけてみてください。よろしくお願い申し上げます。

手紙・はがきの宛先:169-0073 東京都新宿区百人町1-17-8 淀橋教会 HCJB係    
メールアドレス: hcjbglobal @ yahoo.co.jp

今年はHCJB日本語放送『夏の特集番組』を組みました。どうぞお楽しみください。

『サタデー・トーク』毎週土曜日放送

8月14日 上海帰りの郁子・牧実姉妹:引揚者から伝道者へ(1)
8月21日 上海帰りの郁子・牧実姉妹:引揚者から伝道者へ(2)
8月28日 浜名っ子小林伸吉の旅ゆけば: シカゴ篇
9月 4日 浜名っ子小林伸吉の旅ゆけば: ニューヨーク/ボストン篇
9月11日 ビオラ奏者松田健一郎の音楽人生:(1)米国コロンバス交響楽団員
9月18日 ビオラ奏者松田健一郎の音楽人生:(2)米国コロンバス交響楽団員
9月25日 ビオラ奏者松田健一郎の音楽人生:(3)米国コロンバス交響楽団員

実話ドラマ『解き放たれた人生』海外宣教師シリーズ  毎週日曜日放送

8月15日 アーサー・シーリー物語:(1)不良少年から中国戦地へ。
8月22日 アーサー・シーリー物語:(2)一転して宣教師として日本へ。
8月29日 ボッブ・ボードマン物語:(1)沖縄戦線で銃弾を受け死線をさまよう。
9月5日  ボッブ・ボードマン物語:(2)助かった生命を日本人の救いのために。
9月12日 マーサ・ホーク夫人物語:   幼時より宣教師に憧れ愛の実践者へ。
9月19日 ドナルド・ホーク博士物語:  神の導きのまま日本に神学校を建設。
9月26日 尾崎一夫物語:焼け跡に立った少年が自衛隊員からキリストの兵士へ。


2010年8月5日 HCJB日本語放送担当 尾崎一夫